平成18年度の税制改正にて、無申告加算税・不納付加算税の取り扱いが変更となりました。
まず無申告加算税というのは、法人税・消費税や所得税など申告すべき者が申告をしなかった場合に課されるいわゆる罰金(国税の原則15%)です。
不納付加算税とは、納付すべき源泉所得税を納付期限までに納付しなかった場合に課される罰金(源泉所得税の原則10%)です。
それらの罰金である無申告加算税・不納付加算税について、以前は1日でも申告・納付期限を遅れたら問答無用に罰金を科していましたが、改正により一定の場合にはそれを科さないことになりました。
その一定の場合とは、
・無申告加算税
1 申告期限から2週間以内に申告書を自主的に提出していること
2 申告期限内に申告をする意思があったと認められること(次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます)。
(1) 税額の全額を納付期限までに納付していること。
(2) 今から遡って5年前までの間、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、この特例の適用を受けていないこと
・不納付加算税
1 納付期限から1ヶ月以内に納付されていること
2 納付期限内に納付をする意思があったと認められること(次の(1)及び(2)のいずれにも該当する場合をいいます)。
(1) 今から遡って1年前までの間、税務署より納付漏れを指摘されたことがないこと
(2) 今から遡って1年前までの間、納付期限までに納付をしていること
つまりは、過去にキチンと申告・納付を行っているのであれば、1回くらいの申告漏れや納付漏れについては、罰金を科しませんよ、ということです。(ただし、前述のとおり、無申告加算税の場合には期限内の納付が必要です。)
ちなみに、改正のきっかけとなったのは、関西電力の平成14年分の消費税申告書の提出遅延でした。
この事件についての経緯を以下、関西電力HPより転載(一部加筆)いたします。
平成15年6月2日
平成14年度分消費税確定申告書提出および納付期日。消費税額約247億円は期日どおりに納付するも、確定申告書の提出を失念。
同年6月13日
確定申告書を提出(法定期限を11日遅延)。
同年9月30日
無申告加算税賦課決定通知を北税務署より受領。(約12億円、納付税額の5%)
即日、大阪国税局長宛異議申立。
(転載終了)
というように、消費税の納付は期限内に済ましたが、申告書の提出を失念。
慌てて申告書を提出したものの、申告もれということで無申告加算税という罰金が12億円かかってしまった、という事件です。
あまりにもひどいということで関西電力は異議申立をしていますが、破棄されています。
流石にこの事件の影響が大きかったということでしょうか、国税庁も納税者よりの改正を行ったものです。
何はともあれ、税金は申告・納付がセットです。期限までに申告・納付は忘れないようにしましょう!
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