Higuchi-Tax News 10月号 No.022 雇用促進税制の創設

平成23年度税制改正で、雇用の維持・促進を図る目的で雇用を拡大させた企業に対する税額控除制度が創設されました。

税額控除を受けるためには、従業員数の増加等の要件を満たすほか、あらかじめハローワークに「雇用促進計画」を提出しなければなりませんので注意が必要です。

 

1.  制度の概要

雇用促進税制は、青色申告書を提出する法人又は個人事業主が平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(以下、「適用年度」といいます。)(※1)において、雇用者数の増加等の一定要件をすべて満たす場合には、雇用増加数1人あたり20万円の税額控除が受けられるという制度です。

なお、税額控除額は当期の法人税額・所得税額の10%(中小企業者等(※2)は20%)が限度となります。

 

※1 個人事業主の場合は平成24年1月1日から平成26年12月31日までのいずれかの年

※2 中小企業者等とは、資本金1億円以下の法人で一定の要件を満たすもの、又は資本・出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人をいいます。

 

2.  対象となる事業主の要件

①     青色申告書を提出する法人又は個人事業主であること

②    適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと

③     適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業者等の場合は2人以上)増加させていること

④     雇用増加割合(※1)が10%以上であること

⑤     適用年度における役員以外の使用人に対する給与等の支給額が、比較給与等支給額(※2)以上であること

⑥     風俗営業等を営んでいないこと

 

※1 雇用増加割合 = 適用年度の雇用者増加数/前事業年度末日の雇用者総数

※2 比較給与等支給額 = 前事業年度の給与等の支給額+前事業年度の給与等の支給額×雇用増加割合×30%

 

3.  確定申告までの流れ

◆ 事業年度開始

事業年度開始後2ヶ月以内に目標の雇用増加数などを記載した雇用促進計画を作成し、本社・本店を管轄するハローワークへ提出。

提出した雇用計画書の一部は受付印を押印の上、返却されます。

お、平成23年4月1日から同年8月31日までに事業年度を開始した法人については、平成23年10月31日までに提出する必要があります。)

◆ 事業年度終了

事業年度終了後2ヶ月以内(個人事業主については3月15日まで)にハローワークへ、上記で提出した雇用促進計画に雇用増加数などを追加で記入を行い、
雇用促進計画の達成状況の確認を求めます。

(提出から返送されるまで2週間~1ヶ月程度かかりますので注意が必要です。)

◆ 確定申告時

確認を受けた雇用促進計画の写しを確定申告書等に添付して、税務署へ提出します。

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