平成23年12月の税制改正により復興特別所得税が創設されました。
こちらは、先の東日本大震災からの復興のための施策を実現するための財源を確保するためのものです。所得税だから個人にしか関係がないわけでなく、源泉徴収を行う法人にとっても重要な改正となります。
今回はこの復興特別所得税について紹介したいと思います。
1. 個人所得の場合
(1) 納税義務者
所得税を納める義務のある方が復興特別所得税を納める義務があります。
(2) 税額計算
平成25年から平成49年までの各年分の所得税に係る基準所得税額に2.1%の税率を乗じて計算します。
復興特別所得税=基準所得税額(原則として所得税額)×2.1%
(3) 申告・納付
所得税の確定申告と合わせて、復興特別所得税の申告と納付も行います。
なお予定納税における予定納税基準額については、所得税と復興特別所得税の合計額が15万円以上である場合には予定納税の義務があります。
2. 源泉徴収の場合
(1) 納税義務者
所得税の源泉徴収義務者が、復興特別所得税の納税義務者となります。
(2) 税額計算
平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する場合には、所得税と復興特別所得税(税率2.1%)を合わせて源泉徴収します。
したがって、預貯金や公社債利子、株式等の配当、講演料や原稿料など源泉所得税を徴収すべきものについて、すべて復興特別所得税が課税されることになります。
なお、平成25年1月1日以降に支給する給与等から源泉徴収すべき所得税額・復興所得税額の合計額は、「源泉徴収税額表」により、また退職手当等から源泉徴収すべき所得税額・復興所得税額の合計額は、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」により算出します。
(例)講演料として、手取り100,000円を支払う場合(所得税率10%)
100,000円÷(100%-10%-2.1%)=111,370.976円 → 111,370円(1円未満切捨) ⇒ 税込支払金額
111,370×(10%+2.1%)=11,370.877円 → 11,370円(1円未満切捨) ⇒ 所得税額・復興所得税額の合計額
(3) 納付
源泉徴収した所得税と復興特別所得税は、その合計額を1枚の所得税徴収高計算書(納付書)により納付をします。
(4) 年末調整
平成25年から平成49年までの各年分において年末調整をする際には、所得税と復興特別所得税の年末調整を合わせて行います。
なお、平成24年分の年末調整により生じた超過額(年末調整還付金)は、平成25年1月に支払う給与等に係る源泉所得税・復興特別所得税から控除します。
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